男性に多い特徴的な脱毛の症状を男性型脱毛症(AGA)といいます。米国などではAGA治療が産業として成り立つほどに広く周知されていますが、日本において男性型脱毛症が医療機関で治療できることが知られるようになったのは近年になってからです。男性の薄毛の対処法としては、増毛剤や育毛剤など市販品を利用する方法、またカツラを利用する方法、増毛、植毛などの施術を受けるなどの方法などがあります。それに加えて、近年では脱毛症を医療機関で治療することをすすめる広告をテレビなどのメディアを通じて発信するようになりました。
男性型脱毛症の根本的な原因は明確にはなっていません。ただし、遺伝的要素や環境要素、男性ホルモンなどがリスク要因としてあることは医学的根拠のある事実です。男性ホルモンの中でも特に大きなリスクとして特定されているのがジヒドロテストテロン(DHT)だということが判明し、また、5αリダクターゼ(5α-R)と呼ばれる還元酵素がテストテロン(男性ホルモン)と結びつきDHTに変換する働きがあることが多くの研究結果から実証されました。健康な発毛を促すためには毛乳頭が大きな役割を担っていますが、毛乳頭には男性ホルモン(DHT)を増やす働きをする還元酵素5α-Rが存在し、男性型脱毛症の促進を促します。増毛剤や育毛剤の効果が感じられずに悩んでいる方は、早めに専門の医療機関に相談してはいかがでしょうか。
男性型脱毛症の治療を行う診療科は皮膚科です。ただし、皮膚科の中にもこの治療を行っていないところもありますので、事前に確認をしてから受診するようにしましょう。インターネットで「薄毛治療」などをキーワードに検索すると、治療に対応している医療機関を探すことが出来ます。また、治療に必要な値段や治療法、発毛効果などは医療機関によって異なりますので、信頼できる医療機関を探すことが大切です。実際に治療した患者の方の口コミなども参考になるでしょう。
一般と頭皮治療を行う皮膚科と男性型脱毛症を専門に治療する医療機関では、費用面や治療面などでそれぞれメリットとデメリットがあります。まず、費用面では一般の頭皮治療をする皮膚科の方が安価で対応しています。ただし、診察に関しては専門外来の方が患者の状態に応じた適切な治療を行うため、発毛効果が期待できます。AGAスキンクリニックなどの専門AGA外来では、医学的根拠のある治療法に基づき治療薬の処方をします。特にミノキシジルなどの成分は医療機関で適切に処方されます。毎月の受診時に頭皮撮影・触診・視診などで経過観察を怠りません。